不発酵茶製造工程概略:殺青→揉捻→乾燥
中国茶といえば烏龍茶が主流と思っている方が多いでしょうが、実は中国で日常的に飲まれているのは緑茶。生産量は全茶葉の70%以上を占めています。
それは発酵の止め方(殺青)の違いによります。日本緑茶のほとどんが蒸すのに対し、中国緑茶は主に釜炒りされています。また殺青した茶葉をどのように揉捻、乾燥させるかによって、大まかに3種類に分類されます(注)。
全般的なイメージは「ほんのりとした甘さが漂う、爽やかな春の草原」でしょうか。渋みや苦味が少なく、色は透明感のある黄緑色で清涼感にあふれています。かすかな甘い香りは、どこか懐かしさも感じさせます。新茶入荷シーズンは4~6月。人気の高いお茶は売り切れになることがあります。
茶葉がゆっくり沈む様子や水色を眺めるのも、緑茶の楽しみのひとつなので、耐熱ガラスポットやガラスの蓋碗、シャンパングラスなどが良いでしょう。茶葉の量は、250ccの湯に対し2gほどを目安にしてください。
お湯の温度は80~90度。1煎目は茶葉が沈んだ頃が飲みごろで最後まで注ぎきらずに少し残して2煎目、3煎目と湯を差します。ただし、蒸し製法の緑茶(恩施玉露)は渋みが出やすいので一煎ごとに注ぎきってください。
■龍井茶(ろんじんちゃ)
浙江省杭州の西湖周辺が産地で、獅峰龍井・梅家塢龍井・西湖龍井が有名です。清明節(四月上旬)前に摘む茶葉は茶名の前に「明前」が付き、極品とされています。
■碧螺春(ぴろちゅん)
産地は江蘇省にある太湖の周辺。柑橘類の樹の下に植えられた茶樹から作られます。500gのお茶を作るのに、一芯一葉で摘まれた葉が7万~8万も必要とされる高級茶で、清代には貢茶でした。
龍井茶(ろんじんちゃ)
緑茶の代表格。扁平な茶葉が特徴的。
大平猴魁(たいへいこうかい)
おおらかな形の茶葉は 中国緑茶の中でも珍しい。
安吉白茶(あんきつはくちゃ)
白茶といえど緑茶。優しい甘みを感じる銘茶。
碧螺春(ぴろちゅん)
お湯を入れた器に茶葉を落として淹れる。舞い降りる茶葉を眺めるのも楽しみのひとつ。
平水珠茶 (へいすいじゅちゃ)
茶葉は捻珠が強く珠状で、その見た目から海外では「ガンパウダー(火薬)」の名で親しまれている。
独特の香りとキリっとした渋みが特徴。