茶壷とは急須のことで、素焼きの茶壷と釉薬のかかった磁器製があります。
それぞれ特徴があるので、茶葉によって使い分けると良いでしょう。
中国の江蘇省・宜興で採れる焼き物用の土・紫砂が有名で色で大まかに分けると朱泥、段泥(黄や緑)があります。
主に、熱湯で淹れる青茶(烏龍茶)や黒茶(プーアル茶)に使うことが多く、その中でもコクのあるお茶を淹れると、さらに深みが増します。
気孔は雑味の吸収だけでなく、茶葉の香りや成分も吸収します。ですから同じ種類のお茶だけに使うようにします。使い続けると、湯を入れただけで お茶の香りが立つようになります。
土臭さや残り香を消してから使います。鍋に茶壷が完全に浸る量の湯とスプーン1杯(6~8g)の茶葉を入れ、煮立ったら弱火で静かに1時間ほど煮ます(湯が減ったら足して)。自然に冷めてから水洗いしてください。
使いこまれた茶壷は、色に深みが増しツヤツヤになってきます。これも 気孔のなせるわざ。使用後は湯だけで洗いして(洗剤はダメ!)、自然乾燥させ柔らかな渇いた布でやさしく磨きます。これを「養壷(やんふう)」といい、紫砂茶壷の楽しみのひとつです。
有田焼きにも影響を及ぼした、江西省の景徳鎮が有名。コバルトで絵付した磁器「青花(ちんふぁー)」は元の時代に普及しました。そしてヨーロッパにも伝わり、各国で名品が生まれています。
表面(内側も)に釉薬がかかっているので、茶葉の香りや成分を吸収することがありません。
どんな茶葉でもOKです。特長を活かす紫砂の茶壷で入れるより軽やかな味わいになります。
他の食器の油分などを付着させないよう、洗剤でしっかり洗ってください。