弱後発酵茶製造工程概略:殺青→揉捻→初ホン→悶黄→復ホン→悶黄→乾燥
歴史は古く、中でも湖南省の君山で作られた黄茶は唐の時代から皇帝に献上されていたとされ、また、清代の長編小説で中国の源氏物語と言われる「紅楼夢」(こうろうむ)にも登場するなど宮廷専用となった誉れも高い銘茶です。現在でも湖南省、安徽省四川省などで生産されていますが、製造工程が複雑で時間がかかるためか生産量も少なく、手に入りにくいお茶です。
「弱後発酵茶」だから、水分の残る茶葉を堆積させて発酵させる黒茶の発酵を軽くしたお茶と思われがちですが「茶葉を堆積させる前に低温で火入れして水分を減らす」という黒茶の製造には無い工程を2度行います。
(初ホン:火入れ→悶黄:堆積→復ホン→悶黄。)
緑茶に、ひなたの香り(薫焙香)を足したようなとろりとした柔らかさで、黒茶のようなクセはありません。
ガラスポットや蓋碗を温めておきます。湯を捨てて茶葉を入れたら90度ぐらいの湯を少し注ぎフタをします。軽く回して茶葉をなじませたら湯を足して、茶葉が半分ぐらい落ちたら飲みごろです。茶湯はぎきらず、少し残しておきます。
■君山銀針(くんざんぎんしん)/湖南省
黄茶の代表格。柔らかな薫焙香と蜂蜜のような香りが印象的です。
■霍山黄芽(かくざんこうが)/安徽省
1990年、全中国11銘茶のひとつに選ばれたお茶で、爽やかな香りは「栗のような」と例えられ、味はキリリとしています。
■蒙頂黄芽(もうちょうこうが)/四川省
唐代の詩人、白居易も絶賛したという銘茶。ほっこりした豆のような、甘みのある香りです。
霍山黄芽(かくざんこうが)
栗などの炭で燻すため茶湯の香りにかすかに栗っぽさを感じる。柔らかな味わいが大人っぽい。
君山銀針(くんざんぎんしん)
のどごしはほのかに甘く清涼感のある味わい。ゆったりと楽しみたい。
蒙頂黄芽(もうちょうこうが)
二千年もの歴史があるお茶で白居易も絶賛したという。